改めて条文は大切と感じたこと

相続放棄か限定承認をしなければ、プラスの財産もマイナスの財産(負債)も相続します。

弁護士にとって当たり前の知識です。

しかし、先日、相続放棄の条文を見るときがありました。

当たり前と思っていたことが条文に次のように規定されていて、へーと思ってしまいました。

単純承認に関する条文

民法915条1項
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

民法920条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

民法921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 省略
二 相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 省略

条文を見て気が付いたこと

① 単純承認の要件と効果

法律の条文は、要件と効果が規定されています。

単純承認の場合、相続人が単純の承認をしたことが要件となります。

効果は、被相続人の権利義務を承継するということです。

② 民法上は、単純承認の行為をすることが原則となっている

民法920条では、相続人が単純の承認という行為をすることが原則的形態とされています。

もっとも、通常は、相続放棄か限定承認をしないことで、単純承認になります。

ただ、これは、民法921条2号により、単純承認したとみなされることによる効果なんですね。

 

実は、私は、権利義務を承継するという効果は、被相続人の死亡の効果だと思っていました。

しかし、条文を見ると、被相続人の死亡を前提に、相続人の単純承認があって、権利義務を承継するという建て付けになっています。

正直、知らなかったです。

同時にふと疑問に思いました。単純承認はどうやるのか?

家事事件手続法を見ると、別表一の89に「相続の承認」とありました。

要するに、家庭裁判所で、単純承認の手続をすることができるということです。

まぁ、誰もやっていませんが。

まとめ

ふとしたことで改めて条文を見ることは大切だと感じました。