2022年4月ささやかな節目~独立開業した期間が勤務期間を超えました

2022年4月は、私にとって、ささやかなことではありますが、
一つの節目となるときです。

私は、2007年9月に弁護士登録をしていますが、
実際に働き始めたのは2007年10月からでした。

2015年1月に独立して今の事務所を開業していますので、
2007年10月から2014年12月までの7年3か月
勤務弁護士をしていた期間です。

そして、2015年1月から2022年3月までで7年3か月ですので、
2022年4月からは独立開業した期間が勤務弁護士をしていた期間を
超えることになりました。

実感があるわけではありませんが、
14年6ヵ月という期間を思うと、
あっという間に経ったという感想ですね。

弁護士になりたてのときと今と違うこと

● 働く時間
弁護士になったのは20代半ばで、社会人経験もありませんでしたので、
司法試験を合格して研修(司法修習)を経たとしても、
当初は分からないことばかりでした。

法律の知識面以外にも、例えば、健康保険と国民健康保険とでは何が違うか
といった世の中の仕組みのことが分かっていませんでした。

そのため、調べるのに時間がかかっていましたし、
以前は今よりも仕事が多かったので、
午後11時や日付を超えるまで働くことも普通でした。

大手の渉外事務所は、日付を超えて3時、4時まで働くこともあると
耳にしていましたが、
大手の渉外事務所でなくてもそれなりに長時間労働をしなければなりませんでした。

今でも大々的に広告を出して集客をしている事務所では、
若手の弁護士はそれなりに長時間働かなければならないのではないのでしょうか。

弁護士の業界は、社会一般と感覚がズレているといわれることがありますが、
長時間労働というのは今でも指摘される業界の弊害です。

独立してからは勤務弁護士時代と比べて案件の数が少ないですし、
経験を積んであれもこれも調べなければならないということがありませんので、
働く時間は以前と比して短くなっています


● 通信環境
私が弁護士になったときにはガラケーを使っていました。

もちろん、SNSというものがない時代でしたが、
しばらくしてスマートフォンを皆が持つ時代が到来しました。

スマートフォンは小さいパソコンみたいなものですので、
メールやLINEで容量の大きなファイルのやり取りができるようになったのは大きいです。

昔は裁判の日が終わった後にお客様に電話で報告をしていましたが、
今は報告書をデータで送って済ませています。
随分楽になりました。

また、新型コロナウイルスが出てきた後ですが、
Zoomを用いて会議をするということが弁護士会に急速に普及しました。

コロナが完全に収束した後どうなるかは分かりませんが、
会議に出るために弁護士会館に行かなくてもよくなり、移動時間が減りました

また、ここ1、2年で裁判所とのやりとりも
Teamsを用いてリモートで裁判をすることも多くなり、
裁判所に行くことも減りました。

弁護士にとって移動時間の負担は大きいですので、
ZoomやTeamsを用いるようになってから、
労働時間が減ったという感触を持っています。

弁護士会関連の会議は、午後3時~午後5時までやることがありますが、
会議が終わってから事務所に帰ると6時過ぎ。
それからメールを見たり、簡単な書類を作成したりすると、
午後7時、8時を超えるということは
独立した後でも割と普通のことでした。

Zoomで会議をすると、午後5時に会議が終わると、
その直後から仕事ができますので、
その分早く終わりますね。

あと、通信環境に関連することでいうと、
以前は、弁護士の事務所でもホームページを持っていないことが多かったですが、
今はホームページを持つ事務所が増えました

また、法律に関する記事を載せるページも多くなり、
多くの方が気軽に調べることができるようになりました。
今はネットで調べれば、簡単に法律の知識を得ることができますので、
若手の弁護士にとっては大変な時代になったと思います。

これは弁護士の方から見ると、
比較的簡単なことは既に知っている人が増えたので、
事細かに説明しなくてもよく話がスムーズにできるという側面と、
不正確な知識を持っていてそれを説明しなければならないことも生じた
という功罪両面があると感じます。