流石に度が過ぎていると思ったこと

即日判決を出す?

最近、少し気になることを耳にしました。

名古屋高等裁判所の刑事部に、審理の直後に判決を出す裁判官がいるということです。

すぐに判決を出すということで、即日判決と呼んでいるそうですが、私は、これを聞いて流石にやりすぎではないかと思いました。

なお、この記事のことはすべて刑事事件のことを念頭に置いたもので、民事事件のことではありませんので、混同しないようにしてください。

控訴について

日本の裁判制度は、三審制を採っています。

刑事裁判は、簡易裁判所又は地方裁判所が第一審となります。そこで、出た判決に不満があるときには、一つ上の裁判所に判決を見直すよう訴えることができます。これを「控訴」といいます。

有罪となったが、言い渡された刑が重すぎるので、もっと軽くしてほしいというのが典型的です。

控訴された場合には、高等裁判所が担当します。

高等裁判所では一から審理をやり直すことはしません。

第一審で審理がなされているので、第一審で提出された証拠や主張を見つつ、控訴した側が第一審の判決にどのような不満があるのか、判決を見直す必要があるのかを調査します。

その上で高等裁判所での裁判を開催します。

それが終われば、判決をするということになります。

 

即日判決は何のためにやっているのか?

被告人側の控訴が大した理由でないと裁判所が考えた場合には、審理のための裁判は1回しか行いません。

高等裁判所での審理を終えて、判決を出すのは、被告人の控訴がどんなにどうでもいいことでも1週間程度は空けるのが通常です。

その意味では、審理を終えて、すぐに判決を出すというのは異例です。

被告人側の控訴が裁判官から見たら、どうでもいいようなものの割合が相応にあるので、さっさと処理したいということなのでしょうか?

ただ、高等裁判所といえども、裁判である以上、公開の法廷でのやり取りを踏まえて、判断をするのが期待されていると思います。

しかし、審理を終えた日に判決をするとなると、法廷での審理をする前に結論を決めていて、審理の意味がないのではないかと思っても仕方ないと思います。

実際には、高等裁判所は裁判期日の前に記録を呼んでいますので、多くの事件では、裁判を開く前にほぼ結論を決めています。

それでも判決をすぐに出さないのは、1週間といえども、公開法廷での審理を考慮して判決をしたという体裁を整えるためだと思います。

すぐに判決を出してしまうと、公開法廷での審理を考慮してもらったという印象が薄くなってしまいます。

被告人は、難しいとは聞いていても、公開の法廷で反省していますと言って、少しでも刑が軽くならないか一縷の望みにかけています。

刑務所に行かせるというのは重大なことなので、被告人側の言っていることがいかに一方的でわがままだとしても、それなりに配慮をするのが大人のやり方ではないかと思います。

すぐに判決を出してしまうと、お前の控訴なんかどうでもいい、こんな控訴ならするな と言われているようなものです。

私は、流石に、即日判決を出すという名古屋高等裁判所のやり方は、やり過ぎであり、品がないと思いました。