子どもに勧められる仕事か?

先日、将棋の藤井聡太四段が五段に昇段しました。

「自分の子も天才棋士になるかもしれない。」と本気では思わないでしょうが、冗談程度では口にしたくなるほど将棋ブームは加熱しているようです。

私は、きっかけは忘れましたが、数年前からたまに将棋を見るようになりました。

あるとき、確か、森下卓九段が解説をしているときだったと記憶していますが、「将棋のプロ棋士は自分の子どもに自分と同じプロ棋士になって欲しいとは思わない。そんな人に会ったことがない。」と仰っていました。

プロの世界は厳しいということだと思います。

翻って、自分に子どもがいたら、弁護士になって欲しいと思うか考えてしまいました。

ちなみに、私には子どもはいません。

私は、大学卒業をしてから就職することなく、司法試験に合格し、弁護士になっています。

他の仕事の経験がないからかもしれませんが、自分の子どもに弁護士になって欲しいとは思いません。

目次

弁護士という仕事は羨ましいがられる仕事ではある

弁護士は、一目置かれた仕事であります。

司法試験は、合格者が以前よりも増えてなりやすくなったとはいえ、かなりの難関試験です。

相応の知的水準と努力が求められるので、司法試験に合格できるのは社会の中で一握りです。

資格を持っているということはそれで独り立ちできるということなので、持っていない人からは羨ましいと思われます。

また、ホワイトカラーに属するため、肉体労働をしている人にとっては楽な仕事に見えるでしょう。

裁判所で、寒い時期、雨の中で雨具を着ながら、駐車場の警備をしている人を見ると大変だと思います。

 

弁護士は嫌なものを見ることも多い

弁護士は、他の人が会えないような人に会ったり、他の人が見られないような世界を見ることができます。

刑事弁護をすれば、殺人を犯した人と会って話すことがあります。

覚せい剤を使った人の弁護を担当することになれば、否応にも、どこでクスリを買ったかなどを社会の闇の部分を垣間見ることになります。

罪を犯した者が再度罪を犯すとなると、普通の方はけしからんと憤りを覚えるかもしれませんが、余りにもそのような人が多いので、あぁ、またかという程度の感覚しか抱きません。感覚がマヒしてくるんですね。

あと、神様から見ると不正義ですが、人間の世界ではそれがまかり通ることは本当によくあることです。

どんなに依頼者が言っていることが正しくても、証拠がなければ裁判では勝てませんので、泣き寝入りするしかない場合も多いです。

悪いことをしていても、証拠によって証明されなければ裁かれません。

従業員に長時間労働を強いるブラック企業になればなるほど、タイムカードなどの労働時間管理をせずに証拠を残させないようにしています。

お金を稼ぎたいなら他にいくらでも稼ぐことができる

弁護士というとお金を持っているというイメージを持たれる方が多いです。

厳密に調べたわけではありませんが、国税局の統計を見ると、弁護士の所得は他の業種の所得よりも多いかもしれません。

ただ、今は、弁護士の数が増える一方で、弁護士全体の仕事自体は増えていませんので、大した金額は稼げません。

私も食うのに困っているわけではありませんが、稼いでいるかと言われるとそうではありません。

収入を得たいだけであれば、弁護士以外の選択肢はいくらでもあります。

 

まとめ

弁護士は自分の子どもになって欲しい仕事というほどの魅力があるかと言われると、私はどうしても否定的になってしまいます。

じゃあ、他にどんな仕事がいいかと言われると、これがいいという仕事もありあませんが。

生きるというのは難しいです。